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REDSPRESS EYES|2年ぶりの「さいたまダービー」|レッズプレス!!
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2年ぶりの「さいたまダービー」
多角的な視点で浦和レッズに迫るコラムコーナー「REDSPRESS EYES」。今回は河野正記者が、これまでの「さいたまダービー」を振り返ります。
2年ぶりの「さいたまダービー」
J1のリーグ戦では21度目のさいたまダービーマッチが近づいてきた。対戦成績は浦和レッズの8勝5分け7敗で、2013年終了時点では6勝5分け7敗と負け越していたが、大宮アルディージャのJ2陥落が決まった14年に連勝し、浦和が先輩格の面目を保っている。浦和と大宮による対戦は日本で唯一、同じ市町村にあるクラブ同士で争われるダービー戦だ。2年ぶりとなる8日の今季第1戦は、敵地NACK5スタジアム大宮で午後4時にキックオフされる。
浦和は現在7勝1分け1敗の勝点22で首位。昨季J2で優勝した大宮は、5勝3分け2敗の勝点18で5位にいる。好調なチーム同士の対戦だけに、好試合が期待できる。
ミハイロ ペトロヴィッチ監督が指揮を執って5年目を迎えたとあり、浦和はグループとしての戦い方が完成されている上、今季は攻守の切り替えの早さが顕著だ。前線、中盤からプレスを掛けるタイミングも絶妙で、相手を自陣に閉じ込める術も心得ている。
1-0ながら内容では完勝と言えた第9節の川崎フロンターレ戦に代表されるように、ポジションに関係なくボール保持者にはひと息つかせぬ早さでまとわり付く。中村憲剛を厳しく監視して配給元を封じ込め、くせ者の大久保嘉人らに生きたボールを届けさせない組織的な守備が当意即妙にできていた。これが昨季からより発展した戦術で、強さと安定を感じさせる要因となっている。
攻撃陣も絶好調だ。4年続けて二桁得点をマークしているエース興梠慎三が6点、昨季13点を挙げてチーム得点王に輝いた武藤雄樹が3戦連発の4点。昨季は2得点と不本意だったが、今季は本来のシャープな動きが復活し、シャドーで躍動する李忠成が3点を稼ぐなど、前線のトライアングルで計13点を挙げ、3人そろって得点した試合も二度ある。誰が命名したのか「KLM弾」と言うそうだ。
ボランチで攻撃の陣頭指揮に当たる柏木陽介も背番号10らしい働きぶりで、ゲームを組み立て得点にも絡んでいる。さらに関根貴大、宇賀神友弥、梅崎司らのアタッカーが鋭い動きを見せており、高木俊幸や石原直樹のほか、ともに新加入の駒井善成と伊藤涼太郎ら才能豊かな若手らも控え、誰が出てきてもチーム戦術は高い水準を堅持できる。
総合的に判断し、浦和の絶対的優位は動かない。しかし実力だけでは勝ち切れないのがサッカーの難しさでもあり、それが互角の対戦成績に表れている。
NACK5スタジアム大宮でのJ1対決はこれまでリーグ戦で五度あり、2勝1分け2敗と五分の星だ。大宮はJ2だった昨季、26勝8分け8敗の勝点86で優勝した。このうち21試合を戦ったホームでは、15勝3分け3敗という強さを誇った。今季もリーグ戦とナビスコカップを合わせてNACK5スタジアム大宮では6試合を戦い、2勝3分け1敗だからホームではめったに負けない粘り腰が身に付いてきたようなのだ。
14年夏、大熊清監督からバトンを引き継いだのが現監督の渋谷洋樹コーチだった。大宮は同年8月30日、埼玉スタジアム2002で浦和に0-4と完敗し、10試合続けて勝ち星を逃した翌日、大熊監督を解任した。つまり渋谷監督にとって今回が初のダービーマッチとなる。ただし指揮官としての話であり、選手時代には一度だけ、「埼玉ダービーマッチ」を経験している。
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