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REDSPRESS EYES|3.23無観客試合〜最も不幸なスタジアム〜|レッズプレス!!
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3.23無観客試合〜最も不幸なスタジアム〜
多角的な視点で浦和レッズに迫るコラムコーナー「REDSPRESS EYES」。今回は河野正記者に無観客試合となったJ1第4節・清水エスパルス戦を取材してもらった。
「私は現役時代にレッズで3年半プレーしたが、きょうのスタジアムは(当時経験したことのない)不思議な感じがした。次の試合は違う雰囲気になってくれると思う」
活気に満ちあふれて勇ましい浦和駒場スタジアムの心地よさを熟知しているギド・ブッフバルト監督は、歓声も拍手も怒声も聞かれなかった、ゴール裏の異様な空気に口をへの字に曲げ、残念そうな表情を浮かべてこう言った。3バックの右ストッパーでフル出場した平川忠亮は、「結果を出せずにサポーターを裏切り続けたので、これからは結果を出して応援してもらえるように頑張る」と厳しい顔付きで決意を述べた。
2004年4月18日。浦和駒場スタジアムで開催された第1ステージ第6節の大分トリニータ戦には、1万9232人もの大観衆が集結した。浦和は前年から猛威を振るっていた田中達也とエメルソンの快足2トップで4ゴールをせしめ、4−1と快勝を収めたのだ。
しかし、声援を送っていたのは、通称「出島」と呼ばれるアウェイ席にいた少数の大分ファンのほか、浦和が得点したりするとメインスタンドやバックスタンドから拍手や選手コールが起こるだけ。ゴール裏で応援の指揮を執り、スタジアム全体を活気付けるサポーターグループは、90分間沈黙を守り通した。応援歌を中心に野太い声と手拍子による勇ましい光景に見慣れていた人々にとって、あの日は異次元空間を見る思いだったろう。主将の山田暢久は「サポーターに応援してもらえない原因を招いたのは僕ら。信頼を取り戻さないといけない」と深刻そうに語った。
あれから10年、今度は応援どころか観客が1人もいない試合が実施された。今回の原因を招いたのは選手ではなく、わずか数人のサポーターだった。
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