連勝ストップ。前半の失点が最後まで響く
8月9日(日)、浦和駒場スタジアムで2020プレナスなでしこリーグ第4節・セレッソ大阪堺レディース戦が行われ、0−1で浦和レッズレディースが敗れた。
対戦相手のC大阪堺も、ここまで3連勝。若く勢いのあるチームゆえに出はなを折る先制点が必要だったのだが、スタートから出足の鋭いプレスに苦しみ、11分、南萌華のファウルでPKを与えてしまう。ただ、守護神・池田咲紀子が冷静にコースを読み切り、左手一本でこれを止めた。
それでも流れは変わらず、16分には相手シュートがゴールポストに救われるピンチを迎える。18分には高いラインの裏を破られて決壊。シュートを捻じ込まれてしまった。
清家貴子は「自分たちのやりたいサッカーがミスからできず、相手の勢いに負けてしまった」と話す。
C大阪堺の[3−4−3]と浦和Lの[4−2−3−1]でできるミスマッチを起因に、勢いに呑まれたのだ。
前半の飲水タイム後、森栄次監督が動いたことが1つ目の大きなポイントとなった。
右SBの清家をFWに配置転換し[4−4−2]の布陣への変更を施す。C大阪堺は清家のスピードを警戒し、ラインを下げたことで流れが変わった。
森監督は「裏(へのボール)がなかったので裏を意識させるため清家をトップに置いてCBの裏を突くことをしていきたかった。そうすることでCBとボランチの間が空いてくる。そこにボールが入ればいいと考えた」と狙いを明かした。
また柴田華絵も「中盤でボールが落ち着くようになり、自分たちのリズムが作れたと思う」と振り返った。
ボールを握り出したホームチームがビッグチャンスを作り、清家、安藤梢、菅澤優衣香が次々にシュートを放ったが、ことごとくGKに止められてしまう。
後半は、浦和Lが推進力を持って押し込み相手陣内でプレーを展開。浦和Lはセカンドボールを拾い、2次3次攻撃へとつなげた。C大阪堺はクリアすることで精いっぱい。
そして2つ目のポイントとなったのは決定力だ。ゲームトータルでCK11本、シュート14本を記録。だが決められず、1点が最後の最後まで遠かった。
第4審判がアディショナルタイム3分のボードを掲げる中、菅澤が強烈なシュートを打ち込むもセービングされてしまう。1点を取る気迫と、1点を守る気迫がぶつかり合ったが、このままスコアは動かず、浦和Lの連勝は止まり、今季初の黒星がつく結果となった。
「前半に失点してしまったこと、相手のシステムに戸惑いがあり、うまくハメられずかいくぐられた。最後は相手が守り、そこを突破できなかたことが敗因だと思っている」(森監督)
これでチームは3位へと後退。優勝するチームは、引き分けを勝ち試合に、負け試合を引き分けにする力を持つものだ。
清家は言う。
「自分たちの時間になったときに決められる力をつけたい」
この日の反省を生かし、再び連勝街道を突き進むことはできるか。
日時/8月9日(日)17時キックオフ
会場/浦和駒場スタジアム
試合終了/0−1
観客数/1,191人
主審/山下良美
副審/坊薗真琴、佐藤ゆみ
第4の審判員/池内航太
浦和レッズレディース
監督/森栄次
先発
GK:池田咲紀子
DF:清家貴子(→乗松瑠華)、長船加奈、南萌華、上野紗稀(→佐々木繭)
MF:栗島朱里(→遠藤優)、柴田華絵、塩越柚歩、水谷有希(→長嶋玲奈)、安藤梢(→高橋はな)
FW:菅澤優衣香
サブ
GK:文道美音
DF:佐々木繭、乗松瑠華、高橋はな、長嶋玲奈
MF:遠藤優、加藤千佳
得点
18分 浜野まいか(C大阪堺)
(石田達也)