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試合レポート|2020プレナスなでしこリーグ1部第1節・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦=レポート|レッズプレス!!

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2020プレナスなでしこリーグ1部第1節・ジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦=レポート

今シーズンの戦い方が見えた一戦

今季の開幕戦となったジェフユナイテッド市原・千葉レディース戦を4−2で勝利した浦和レッズレディース。この一戦の中で、今シーズンの戦い方が見えた。

ポイントは2つ。

まず1つ目は猶本光がFWの位置に入ったこと。ドイツに渡る前まではボランチを定位置としていたが、この日はやや下がり目の1.5列目といったポジションをとっていた。表記するならば[4−4−1−1]のトップ下に当たるところだ。

ジェフLからすれば、何とも捕まえづらい浮いたポジションを取り、前線に構える菅澤優衣香とボランチ(柴田華絵、栗島朱里)を繋いだ。

特に猶本の特長が出たのは攻撃時だ。これまでの浦和Lのストロングポイントと言えば、右サイドバックの清家貴子がガンガンと攻め上がり。攻撃に厚みを加える“左右非対称型”でもあった。

今季は左サイドバックに上野紗稀が加入し、周囲を生かすプレーが得意な佐々木繭が左サイドハーフを務め、そこに猶本が絡むことで“左右対称型”で攻撃を進めた。猶本がボールを持つと、左サイドの2人が連係して敵陣に強襲する場面も多々あり、ときには両サイドバックがウイングバックのように幅を取り、2バックになる場面もあった。

この日の猶本は1点目と4点目をCKで演出。2点目はクロスの落としを左足で強振。ニアをぶち抜いての圧巻のシュートだった。56分間ピッチに立ち、チーム最多4本のシュートを記録。前線の選手としては申し分なく、運動量豊富に駆け回っていた。

ドイツでは自身よりもひと回りは大きい選手を相手に球際やゴールへの迫力を学んだ。対戦相手にとって危険な存在だったことは間違いないだろう。

そして、2つ目が前線からのプレッシングだ。昨シーズンから指揮を執る森栄次監督はボールを保持するサッカーをベースとしたが、今シーズンはプラスアルファとして前線からプレスをかけ、高い位置でボールを奪いショートカウンターを発動させることも戦術に組み入れている。ボール奪取が相手ゴールに近ければ近いほど、得点の可能性は高くなる。ジェフL戦では強いプレスをかけて奪い切ったり、無理な体勢からロングボールを蹴らせるなどして、相手のパスにズレを生じさせていた。森監督はトレーニングの中で「取られてもすぐに取り返すこと、切り替えの質を上げよう」と選手に伝えている。

それにはチームとしての意思統一も必要不可欠で、全体を押し上げなければ中盤に穴が空き、切り替えの判断が遅くなればDFラインとGKの間の広大なスペースを突かれてしまう。一人ひとりの質と判断が重要となる。

そして、この日の課題について森監督は「(ジェフLの)後半の猛攻というのが耐え切れなくて、2失点してしまいました」と話し、上野は「後半になって少しバタバタして、選手間の距離が目立った部分があった」と口にした。落ち着かせる時間を増やすことを大事にしながら、体力的に耐久度が落ちてしまった部分については選手交代などで担保していくしかないだろう。

また今季は「二桁失点を一桁失点に減らす」ことも目標の一つとしているが、この日の2失点を考えれば残された失点数は“7”だ。勝つには勝ったが、複数失点は手痛い結果となった。前半に出来たサッカーを90分間続けることが鍵となっていくはずだ。

8月2日(日)には、なでしこ最強チームであり、6連覇を目指す日テレ・東京ヴェルディベレーザとホームで対戦する。優勝を目指す浦和Lにとっては大きな壁であり、このチームを倒さなければ目標には手が届かない。自分たちのサッカーがどこまで通用するのか、チームの真価が問われる。

(石田達也)


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