感じられた自立の意識。ここでネジを巻き直す
きょうのジェフ千葉レディース戦を一言で言えば、「こうした試合もある」という感想があてはまる。
約1週間前、今月21日のプレナスなでしこリーグカップ・第4節、同じ千葉戦で浦和は0−2から後半2−1に追いつき、最後の最後になんとか同点に追いついた。そうした成功体験がある浦和は後半、選手を入れ替えながら、攻撃に圧力をかけた。
一方の千葉はやられたばかり。終了の笛まで気が抜けないことを骨身にしみているだけに、やられてなるものかと、必死の守備を見せた。
そして、まさかのデジャヴか、今回も最後の最後で今度はFW安藤梢が決定機を作ったが、2試合連続で追いつけるほど甘くはなかった。
試合後、選手が語った決定力不足。どこか攻撃不全だったのは、千葉の守備が良かったことと、チームがいま新しい戦術にトライしているからの二点が挙げられる。
新戦術の一端についてDF栗島朱里は、ボールをつないで、ボランチを経由しながら、攻撃を展開すると説明。
より前に迫力と圧力のある攻撃を仕掛ける。このタイミングで行うのは5月6日の日テレ・ベレーザ戦、5月12日のINAC神戸戦を見越した石原監督の意図が感じられた。結果で分かるように、いまは発展途上。さらに代表メンバーが戻ってきてすぐだけにフィットまでに時間がかかるのは仕方ない。
そのなか、きょうの試合で選手たちから感じられたのは自立の意識だ。
選手は監督・コーチの指示に耳を傾けるが、最終的にプレーするのは選手たち。試合中、選手同士、試合の流れを見ながら、話し合い、指示を出し、やっていこうとしている。攻撃がうまくいかなかった前半、「チーム全体で何か変えられたはず」、そうした声が選手から異口同音に聞かれた。
これが自立なるのか、はたまた、ただの造反なるのか。紙一重だが、こうした意識が芽生えるとぐーんとチームは強くなっていくもの。
どんな試合でも負けたくない。ただ、きょうの一敗は連戦にむけ、ネジを巻きなおす、もう一度、自分たちを見直せる、価値ある一敗になる。そんな期待感がいまのチームにある。
・・・・・・