4日(月)から10日(日)まで、Jヴィレッジでトレーニングキャンプを行う日本女子代表候補(なでしこジャパン)。きょう5日(火)のオンライン会見には三菱重工浦和レッズレディースから選出されたDF南萌華とDF清家貴子が応じた。
南は「代表での戦い方を再確認している。新しい選手もいるので自分自身も思い出しながら再スタートをしていきたい」と話した。
池田太監督が求めるのはアグレッシブな守備。南は個の強さや対人、チャンスの芽を摘むヘディングのパワーアップを狙う。
また、今回のキャンプでは国内組を中心に初招集の選手やコンディション不良のため新たに追加招集された選手もいることで、南がリーダーシップを発揮することにも期待がかかる。
「その立場にいるのは自覚している。新しい選手もいるので、みんなの良さを引き出しながら、自分のプレーを理解してもらい、コミュニケーションを取って積極的に話しながらチームを作っていきたい」(南)。
前回のAFC女子アジアカップでは準決勝で中国女子代表と対戦(2−2)し、最終的にはPK戦(3−4)で敗れた。ボールを保持し試合を優位に進めていたのだが、少ないチャンスを決められPK戦にもつれこんでしまった。
南は言う。
「主導権を握って敗戦してしまった。チャンスを決め切れず、逆に中国に決められてしまった印象がある。
ボールを保持してもゴールに結びつかないと意味がない。攻撃で課題が出た。守備面では少ないチャンスを決められてしまう部分、気の緩みが失点につながったので修正しなければいけないと大会を通じて感じた」
ボールを持っていても相手が怖がらないプレーをしていては試合には勝てない。ボールを保持しつつ、相手の嫌がるプレーを続け、隙を突いていけるかが大事となる。
南は「来年のワールドカップに向けて追及していきたい」と話すと「個のレベルアップを求め、ディフェンスとしての強さパワーを増していけるようにレベルアップへ努力していきたい」と力強い眼差しで前を向いた。
池田体制となって初招集となったDF清家貴子は「監督も代わり雰囲気も違う。その中で自分がどれだけやれるのか知りたい」と述べた。
浦和では右サイドバックを主戦場とする中、日本女子代表では「右サイドバックをやるつもりできている。監督にはどこでやるかは決めてないと言われたので、どこでもプレーする準備はできている」と言う。
サイドバック、サイドハーフ、そしてフォワードと一人三役をこなす、こんな使い勝手のよい選手はそういない。特に国際大会では人数枠の制限もあり、ユーティリティ性のある選手は重宝されるだろう。池田監督にとっても貴重な切り札となることは間違いない。
昨年の1月には大きな怪我(左膝前十字靭帯損傷/全治8カ月)を負ったことで代表活動には参加できずにいた。その期間に行われた東京五輪を見て感じたことは「その舞台で戦えるチャンスがあったと考えると悔しいが、まだワールドカップと次の五輪もあるので良い準備をしていこうと考えていた」。
そして「今回は満を持してのキャンプ(笑)」と柔らかく微笑んだ。
ここからサバイバルレースがスタートする。代表での生き残りを賭け「組織で守ること、攻めることは、前提として、他の選手とは違うシュートやアシストなど得点に絡む部分」でアピールをする構えだ。
縦への推進力やスピードを持つからこそ、「個の力は大事にしていきたい。推進力やクロス、シュートを見せたい。練習でアピールし、試合で出すことが日本のためになると思うので目指したい」と意気込む。
“チーム力のベースアップ&なでしこの力の輪を広げる”ための大きなピースが帰ってきた。