新生・日本女子代表(なでしこジャパン)は、国際親善試合に向け、現地オランダでトレーニングを行っている。
その中、25日(木)のアイスランド女子代表(日本時間26日午前3時40分KO)を前に、池田太新監督が試合前日会見に応じた。
池田監督は初のフル代表を率いての初の対外試合。初陣を迎える気持ちを「楽しみ。10月のキャンプからスタートし、海外遠征でチーム作りを進めている。楽しみなことが一番」と笑顔で話した。
23日(火)からトレーニングをスタート。海外組の合流や移動もあり、あまり調整時間のない中で試合を迎えるが、この遠征での選手起用については「選手のコンディションを含め考えている。まんべんなくかもしれないし、同じ選手を使うかもしれない。状態とトレーニングでの組み合わせを見てから」と答えた。
“ゴールを奪う、ボールを奪う”アグレッシブなサッカーをテーマに掲げる中で、「貴重なチャンスなので、相手を分析し我々のやれることを積み上げること、アジア大会に向けて練習メニューの構築も考えている。前回は守備での奪うこと、ゴールへの推進力をトライしたが、今回は次のステップで攻撃にもトライして、強度のコントロールなど、相手を想定しミックスしてトレーニングをしている」と戦術の落とし込みについて言及した。
指揮官は選手の取り組みについて、「前向きに捉え、チームとして一歩ずつ進めている感触がある」(池田監督)と言う。
会見の中では、ラインブレイクやクロス攻撃などを含め、ボールを奪う、ゴールを奪うこと、アグレッシブな戦いを選手に求めていることを何度も強調していた。
FIFAランク13位の日本女子代表に対して、今回の対戦相手となるアイスランド女子代表は16位。フィジカルが強くサイドにスピードのある選手を擁している。もちろんセットプレーも危険であることは間違いない。なでしこジャパンにとっては苦手な部類に入る相手だが、体をぶつけること、競らせないシーンを作っていきたい。
池田監督は「相手の懐までボールを奪いにいき、粘り強く寄せ、距離感を与えるのではなく一歩を詰める。そして選手同士のチャレンジ&カバーで奪えるシーンを作りたい」と語った。
同日、取材に応じた三菱重工浦和レッズレディースのMF猶本光は「これまでの活動で、チームとして何を目指すかを落とし込まれている。ここから見えてくるものもあるが、この国際親善試合2試合でチームとして目指すサッカーを表現することが(1月の)アジア大会につながってくると思う」と話した。
またアイスランド女子代表戦に向けて「ペナルティーエリアへの侵入回数を増やしゴールを狙うことで得点をする。そのための共通理解をミーティングで落とし込んでいる。全員が同じ絵を描ければゴールになる」と述べている。
全体をコンパクトにしながら、相手のセットプレーやサイド攻撃に警戒し、自分たちの強みを出すことが重要だ。ただボランチが上がれば、後ろが手薄になる。タイミングや試合の流れ、バランスを読みながらチャンスを見極めトライしていきたい。
浦和では攻撃のタクトを振るポジションを担う猶本だが「(なでしこジャパンでは)ボランチでの出場が多くなると思うが、中盤での守備で勝つことを意識し、攻撃では浦和でやっているプレーを出していきたい」と意気込み、代表でのサバイバルレースに挑む。
新生なでしこジャパンの今後を占うであろう初陣に注目したい。