9日、午後3時からオンラインでの浦和レッズレディース新体制会見が行われた。
会見にはユースから昇格したGK福田史織（ふくだ・しおり）、FW島田芽依（しまだ・めい）、DF河合野乃子（かわい・ののこ）の3選手とともに、新たに就任した森栄次総監督、そして昨季、浦和レッズレディースユースを指揮し、今季就任した楠瀬直木（くすのせ・なおき）監督が登壇。会見は約40分行われた。
まず目を引くのは森総監督、楠瀬監督という体制。その理由は浦和レッズレディース全体の強化にある。
森総監督はユースチームを底上げしながら、トップチーム強化につなげる狙い。今後はトップチームとともにユースチームを中心に指導するため、あえて「総監督」という呼称にしたという。
また、森総監督と楠瀬監督は30年来の仲。お互いのサッカー観は非常に似ており、ダブル監督体制になっても2年積み上げたスタイルは大きく変えず、話し合いながら、さらなる浸透、共有、強化を図っていく方向だ。
森総監督は今季に向けて、「こだわっている中盤を強化したい。もっとどん欲にボールに関わるところをやっていきたい」と話す。若手台頭の必要性を挙げる楠瀬監督は「コロナ禍、そして東京オリンピック開催などがあり、試合が多くなる。選手全員がフル稼働しなければならない。誰が出ても同じ水準にしなければならない。.WEリーグ開幕までの半年間、若手選手や二番手の選手をしっかりトレーニングしたい。また、かなりマークされ、研究される。新戦力が活躍できれば新しい浦和レッズレディースができると思う」とさらなるチームの底上げを誓った。
WEリーグに向けて、他チームが派手な補強を敢行する中、浦和レディースはユースから3選手の昇格のみとやや大人しい補強となった。浸透、熟成のためにあえてやらなかったのか。それとも補強したくてもできなかったのか。
その理由について森総監督は「他チームから呼ぶ作業も大事だが、それだけに頼るのではなく、もっと下（下部組織）から魅力ある選手を昇格させること。これが（強化の）一番の近道」と説明した。
トップとユース、ジュニアユースが同じスタイルを行うことで、昇格した際、スムーズにトップチームに入ることができる。これはまさに長年、日テレ・東京ヴェルディベレーザが行ったモデルであり、強さの秘密でもある。そうした狙いが森総監督からうかがえた。
トップチームの強化だけでなく、浦和レッズレディース全体の永続的な強化を狙った今回の試みに大いに賛同したい。
【選手コメント】
《GK12福田史織》
目標としていた浦和レッズレディースに昇格でき、今シーズンもこのチームでプレーできることがうれしい。ストロングポイントは反射神経と身体のバネを生かしたセービング。そして前線へのロングフィード。守備だけでなく攻撃でも貢献したい。ジュニアユースから応援してくださった方たちのために日々成長し、その姿を1日でも早く見せたい。
（楠瀬監督評）
中学生のときから知っており、サッカー選手としてのスキルにあふれ、運動能力に長けている選手。昨季トップチームのリーグ戦に出場するなど、ユースと二足の草鞋で頑張ってくれた。今年は池田選手、文道選手とともにレギュラーを競って、早くレギュラーとして活躍できるように期待している。
《FW24島田芽依》
まずは昇格できてとてもうれしく思うが、ここがゴールではなくスタートだと思っている。先輩たちに負けじと頑張りたい。ストロングポイントは前線のポストプレー、裏への抜け出しから得点を決めるところなので注目してほしい。ファンやサポーターのみなさんがわくわくするような試合ができるように、精一杯頑張りたい。
（楠瀬監督評）
中学のときからユースチームの中でレギュラーを取った選手。なかなか女子チームでセンターフォワードらしい選手は出てこない。やっとこのような選手が出てきた。昨季も一緒にやりましたが、今年も仕事ができることをうれしく思っている。
《DF25河合野乃子》
ジュニアユースのころから憧れていた浦和レッズレディースに昇格でき、レディースの選手として戦えることをうれしく思う。ストロングポイントは両足の正確なフィード。後ろからのビルドアップとともに、わたしのフィードで得点につなげるようなプレーを見せたい。ジュニアユースから応援してくださるサポーターのみなさんに勇気や元気を与えられるようなプレーを見せたい。
（楠瀬監督評）
主にセンターバックの選手で恵まれた体力、身長、スピードもある。特長は優れたフィード能力。期待している選手。
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