back

インタビュー

top
[女子]追いつき、追い越せ〜福田史織〜

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディースの選手、監督、スタッフ、関係者などのインタビューを掲載するコーナー。今回は、三菱重工浦和レッズレディースユースからトップチームへと昇格した期待のルーキー、GK福田史織選手に今シーズンに成し遂げたい3つの目標や意気込みなどをビデオ通話アプリ「Zoom」を使い、インタビューを行った。

(石田達也)  



もっと長い時間プレーしたい

RP:今シーズン、トップチームへ昇格しましたが、率直な気持ちを教えて下さい。
福田:2年ほど前から、レディースの試合に出場できるように登録をしてもらいました。試合に絡むようになったのは昨シーズンからですが、9月のINAC神戸レオネッサ戦で短い時間でしたが、プレーをさせてもらいました。サポーターの声を聞いて、やっとピッチに立てるところまできたことを実感しました。家族も祝ってくれて、「池田咲紀子選手に追いついて、追い越せるように、もっと頑張れ!」と言われました(笑)。

RP:ご家族の反応を具体的に教えてもらってよろしいでしょうか?
福田:大学に進学しようか、トップ昇格かを悩んでいた時期がありました。両親に相談したところ、「昇格してもらいたい」という想いを感じました。正式に決まった時には「よく決断をした」と言ってもらえました。父はもともとサッカー経験者で、母は昔、サッカー部のマネージャーで、2人の兄もサッカーをやっていて、小さい頃からサッカーに触れてきました。サッカー一家です(笑)。

RP:ご家族に、素晴らしいエールをもらったのですね。
福田:まだ、池田選手とは差があると感じています。ただ、下からの突き上げがなければ、チームは強くなれないと思いますし、「何が起きても大丈夫なように準備をしておくように!」とコーチ陣に言われているので、もっと上手になりたいと思っています。キーパーは1つしかないポジションですが、順調に進ませてもらい、“ありがたい”気持ちでいっぱいです。
 
RP:下部組織の監督である神戸慎太郎監督に福田選手へ期待すること、能力が高いことなどを聞きました。
福田:神戸さんには、ジュニアユース時代から指導をしてもらいました。ミスも多く、高校2年生時には「失点王」と言われました(笑)。ただ、めちゃめちゃ怒られるのですが、良いプレーをした後や、良い内容で試合が終わった時には褒めてくれて、泣きそうになったことを覚えています(笑)。

RP:改めて昨シーズン、トップチームデビューを果たした時の感想を聞かせて下さい。
福田:ベンチで名前が呼ばれた時は、めちゃめちゃ緊張しました。ビブスを脱ぐ時に、スタンドがざわついたことを覚えています(笑)。周りから「頑張れ」「大丈夫だよ」という声が聞こえたので、落ち着いてプレーできましたし、サポーターの後押しを感じました。浦和駒場スタジアムのピッチで、もっと長い時間プレーをしたいと思いました。

RP:チームとして、個人として、どんな部分を積み上げてきましたか?
福田:浦和はメンバーが代わっていないこと、また優勝したことで他チームの分析が進んでいると思います。チームとしては、ベースのパスワークにスピードを付け加えるなどの技術を積み重ね、そしてフィジカルも上げ、質の高いパスサッカーができるように積み上げてきました。個人としては、チームはハイライン戦術を敷いていることもあり、「積極的に守備範囲を広げていこう」と監督から話があったので、コーチングや予測を含めて取り組んできました。

RP:WEリーグが開幕し、個人としてはベンチ入りを果たしました。その時の率直な気持ちを教えて下さい。
福田:GK文道美音選手が怪我のため、ベンチに入りました。ピッチでプレーしている選手はきつさもあると思うので、外から声を出して一緒に戦いました。
 
RP:プロとしての生活の変化、実感はありますか。また、プロとしての心構えのようなものが芽生えた感じはありますか?
福田:練習が午前中になったことで自主練習に打ち込めています。チームメートのシュート練習に入ってシュートストップに磨きをかけていますし、プロとして自覚をもって過ごしています。また、筋トレをしてフィジカルの強化を図っています。食事面では栄養の勉強をしています。練習後には、どの時間で何を食べることが体に良いのか、などですね(笑)。

RP:チームのポテンシャルについて、お聞きします。チームのスタイルや、このやり方の中でGKに求められるものは一体、何でしょうか?
福田:パスをつなぎ、人とボールが動くサッカーがベースです。キーパーからのビルドアップが大事で、そこを自分ができるようになれば、自分がいつ入っても変わらないゲーム運びができると思うので、足もとの技術を磨きたいですし、何よりチームメート同士、とても仲が良いことがプラスです。ベテランで経験値の高い安藤梢選手は、自身が経験をしてきたことを色々と教えてくれますし、若手にとってはそれが強みになります。

RP:池田選手はどんな存在で、どんな部分のスキルを盗みたいと思っていますか?
福田:人としての礼儀、練習に向かう姿勢が真っ直ぐで、その中にも厳しさがあります。全部、真似をしなければいけません。プレー面では、足もとの技術も高く、的確なコーチングで味方を動かす部分、シュートを打たせないところが凄いところだと感じています。

RP:今、池田選手はヘアカラーがピンクですが、そこも真似をしますか?
福田:そこはできないですね(笑)。池田選手は肌が白いので、ピンクが映えていると思います。

RP:たとえば、浦和駒場スタジアムに来たら、「私のこんなプレーを見てもらいたい」など、サポーターにアピールをしたい点があれば教えて下さい。
福田:私は、反射神経が優れていると思っています。至近距離でのシュートストップや、一発で背後に蹴れるロングボールを見てもらいたいです。
 
RP:また、ユースから同学年の選手(島田芽依、河合野乃子)が共に昇格を果たしています。それぞれポジションは異なると思うのですが、刺激は受けていますか?
福田:3人ともポジションは違いますが、それぞれの良さを共有しながら切磋琢磨していますし、島田選手はWEリーグの開幕戦にも出場しました。彼女が頑張っているからこそ、自分も試合に出場したいですし、「3人一緒にWEリーグのピッチに立ちたい」という想いが強いですね。

RP:年代別の日本代表活動に目を移すと、U-20女子アジアカップが新型コロナウイルスの影響で中止となってしまいました。アジア枠がどのように決まるか不明な部分もありますが、来年8月に予定されているワールドカップに向けての気持ち、想いを教えて下さい。
福田:アジアカップが中止になり、海外選手と戦う機会がなくなりましたが、気持ちの切り替えはすぐにつきました。今回の代表では一番上の学年で、リーダーシップを取れるよう、チームを盛り上げる声を出したいと思っています。今はレッズで試合に出場することが代表へのアピールになると思うので、試合で結果を残したいと考えています。

RP:声やコーチングの部分で大事にしたいことを教えて下さい。
福田:声を出さなければ、ゴールを守れません。自分では大きな声を出しているつもりですが、コーチから「みんなはプレーに集中しているから、その声では周りには伝わらないぞ」と言われているので、コーチングについては意識をして取り組んでいます。そして、もっとサッカーを理解して判断良く言いたいことを言えるようになりたいです。

RP:福田選手にとってWEリーグでプレーする意義はどんなものでしょうか?
福田:WEリーグでプレーすることで普段から応援して下さる方々への恩返しにもなりますし、私たちのプレーを見て「将来、WEリーガーになりたい」と小さな子どもたちに思ってもらえるように、プロとして女子サッカー界を引っ張っていければと思います。

RP:では、レッズプレス!!のユーザーにむけて、今シーズンに達成したい目標3カ条を、お願いします。
福田:? 1分でも多く試合に出場すること。? 筋力アップをし、相手に飛ばされない体を作ること。? スポーツフードマイスターの資格を取り、自分の体作りにつなげていきたいです。

RP:最後に今シーズンの意気込みを教えてください。
福田:今シーズン、WEリーグが開幕し、サッカー界の歴史が変わりました。女子サッカー界を盛り上げていけるように頑張っていくので、応援よろしくお願いします!

RP:今日はありがとうございました。
福田:ありがとうございました。



・・・・・・


ログイン・会員登録はコチラから
すべての記事をご覧いただくには、会員登録が必要です。
※既に会員登録済みの場合、ログインを行うことで閲覧可能となります。


レッズレディースTOPへ


(c)REDS PRESS