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インタビュー

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左サイドを活性化させる存在に!「レアル・マドリーのあの選手のように得点を決めたい」と上野紗稀は活躍を誓う

「REDSインタビュー」は、トップチームやレディースの選手、監督、スタッフ、関係者などのインタビューを掲載するコーナー。今回は浦和レッズレディース新加入選手の一人“上野紗稀”にチームへの思いや今シーズンへの意気込みなどをインタビューした。




※このインタビューはビデオ通話アプリ「Zoom」を使って行われた。

■プロフィール
上野紗稀(うえの・さき)
1994年11月20日生 155?/53?
2020年ジェフユナイテッド市原・千葉レディースより加入

左サイドバックのスペシャリストを目指す!

RP:浦和レッズレディース(以下:浦和L)のユースチームでプレーし、ジェフユナイテッド市原・千葉レディースで7年間、プレーを積んできました。戻ってきたという思いも強いと思うのですが、加入の決意などを教えてください。
上野:レッズレディースは、中学生時代から憧れの場所。サッカー人生の中で、一度はプレーしたい場所でした。最後の最後まで悩みましたが、「新しい自分と向き合って頑張ろう」と思って移籍を決めました。ジェフレディースでは3年間キャプテンをさせてもらい、この先、自分をどう成長させていくかと考えた時に、この選択に至りました。

RP:誰かに相談はしたのですか?
上野:相談と言う訳ではありませんが、ジェフレディースのチームメイトや同い年で仲の良い(栗島)朱里にも話をしましたし、親には「こうしようと思っている」と自分の決断を話しました。

RP:知っている顔も多く、チームにはすぐに溶け込めたと感じるのですが。
上野:ユースで一緒にやっていた選手も多く溶け込みやすかったですね(笑)。

RP:ジェフLでは3年間キャプテンを務め、どんなことを得ることが出来たと感じますか。それを浦和Lでどう生かせると思いますか?
上野:チームのことを考える力、忍耐力、まとまり感、何よりも責任感は成長したと思っています。新しい今の環境は、みんな個々の技術が上手く、まだまだ自分には足りないところが多いので、歯を食いしばってやらなければいけません。ポジション争いも激しさを増すと思うので、負け気の強さも出ると思います。今は左サイドバックのスペシャリストを目指そうと考えています。

RP:上野選手から見て、浦和Lの魅力はどこにあると感じますか?
上野:個のパフォーマンスやレベルが高い。ボール保持率も、です。そして練習の雰囲気がとても良い。ミスを指摘する訳ではなく「次、次、次」と良い声かけなどが浸透していますね。

RP:チームに対してどんな役割を果たしていきたいか。そして監督にはどんなことを求められているのかを教えてください。
上野:右サイドバックの清家(貴子)のようなプレーを期待されていると思います。監督にはディフェンスの部分がジェフLとは違うので指導を受けています。攻撃に関しては「自分で行けるところは行け!」と言われています。

RP:具体的な話をすると、チームの前線には能力の高いフォワードがいますが、どんなプレーで彼女たちの良さを出したいですか?
上野:例えば、(菅澤)優衣香さんは打点も高くボールが収まるので、そこをターゲットにしてアーリークロスやセンタリングを上げることを意識してやっていきたいですし、こずさん(安藤梢)さんは、低いニアのボールにも合わせて走ってくれます。色々なボールを練習していますが、試合に生かしたいですね。

RP:右サイドが攻撃に上がった時のバランスについては?
上野:うちのボランチは気が利くので、余れる場面であれば自分も攻撃参加をし、ファーに流れてきたボールにはゴールを意識して入って行きたいです。

RP:理想のサイドバック像はありますか。もしくは憧れの選手はいますか?
上野:これと言って憧れの選手はいません。ただマルセロ(レアル・マドリー)は、サイドバックの選手として、しっかりと得点を決めるので、ああいった選手になりたいですね(笑)。今シーズンは得点を取りたいと思います。サイドバックの選手が得点を取ることは今のサッカーにおいて魅力的だと感じているからです。


監督に必要とされる選手になる


RP:コロナ禍のなか、公式戦が延期となりました。そして自粛期間も非常に長かったと思いますが、どんな心境でしたか?
上野:そうですね、とにかく試合をしたかった思いが強いです。丁度、チームに慣れてきたところだったので悔しさがありますし、コンディションも良く動き出せてもいたので……。

RP:その中、どんなトレーニングをしていたのですか?
上野:在宅勤務を終えてから、トータル2時間ぐらいですかね、一人で筋トレをして、涼しくなってきたら家の近所を走り、公園でボールを蹴るサイクルでした。人恋しくて、暇さえあれば友だちに電話をしていました(笑)。

RP:在宅期間で新しい趣味はできましたか?
上野:ピアノです。幼稚園の時から小学校6年生まで習っていました。昔は嫌だったのですが、今になって楽しくて、楽しくて(笑)。一番よく弾いているのは『Summer』(久石譲)ですね。

RP:チームメイトと顔を合わせてボールを蹴った時は、めちゃくちゃ嬉しかったのでは?
上野:みんなSNSで近況をアップしていたので久しぶり感もあまりなかったかなと(笑)。でも会えて嬉しかったなぁ。ただ全体練習が再開した当初はソーシャルディスタンスもあったのですが、ボール回しをした時は本当に嬉しかったです。

RP:少し体力が落ちていると感じる部分はありますか?
上野:特に感じてはいませんが、90分ゲームをやり始めたら感じるのかもしれません。ここから暑さも厳しくなりますし、その時が来たら感じるのでしょうね。

RP:では、ここまでの手応えについてを教えてください。
上野:楽しみなところは、今シーズンのボール保持率がどれくらいになるのか。浦和Lのサッカーに自分がどれだけフィットするのか。紅白戦をしていますが、味方の特長を知っているからこそ、上手くプレーが出来ているのか、公式戦でどこまで出来るのかが楽しみですね。

RP:浦和Lには、能力の高い選手も多いと思いますが、ポジション争いについては、どう考えていますか?
上野:昨シーズン、左サイドを繭ちゃん(佐々木)が努めていました。繭ちゃんは周りを生かしバランスを取って上がって行くタイプ。私は自分で仕掛けて行くタイプ。違いもあります。持ち前のプレーを出し、監督に必要とされる選手になりたいと思います。

RP:どんな部分でアピールをしたいと考えていますか?
上野:私の真骨頂の攻撃力とピッチを何度も往復する体力。そこはアピールできるところなので積極的にアピールしたいと思いますし、自分の中では攻撃に時間をかけられるようになりたいです。浦和Lは右サイドの攻撃が多いのですが、それぐらい左サイドの攻撃も活性化したいです。

RP:ちなみに、12番にしたのは何故ですか?
上野:クラブから「12番で行くよ!」と言われ、個人的には高校生の時に着けていた番号だったので親しみがあって、なおかつ12番はサポーターと一緒という感じでもあって良いなと。どのチームを見ても12番を着けている選手は少ない、ある意味レア感がありますよね(笑)。

RP:いつもよりシーズンがタイトになりますが?
上野:タイトな日程こそ、チーム力が試される機会だと思っています。フル出場というよりも、いつ出てもいいように準備をしていくつもりです。

RP:森栄次監督は「前からボールを奪いに行く」、「リーグ最少の16失点を一桁にしたい」と言われたそうですね?
上野:はい。ミーティングの時に言っていました。失点しなければ負けませんし、森監督が日テレ・ベレーザの指揮を執っていた時に、一桁失点で優勝をしています。前からボールを取りに行くことで、チームは前を向けます。(裏のケアは)ボランチも前に行く分だけディフェンスラインの前が空きます。基本、サイドバック1枚とセンタバック2枚は残っているのですが、ピンチにならないよう紅白戦の中で修正をしています。

RP:来シーズンから「.WEリーグ」がスタートしますが、どんなことに期待をしていますか?
上野:そこは女子サッカーの底上げになると感じていますね。何か新しく一歩を踏み出すことは、サッカー界にとってポジティブなことだと思っています。

RP:2023年のワールドカップ招致から日本は撤退しましたが、上野選手個人としては代表でプレーしたいという気持ちは強いですか?
上野:撤退は残念ですが、代表を目指して行きます。(東京五輪については)代表というよりもチームで結果を出すことしか考えていません。浦和Lでコンスタントに試合に絡めるようになり、結果も付いてくれば、自ずと代表に選ばれると思っています。目標を代表に置くというよりは1年目の自分と向き合い、ここで活躍することの方が大きいです。コツコツとやっていきます(笑)。

RP:最後に意気込みを教えてください。
上野:コンスタントに試合に出場し、サイドバックでも得点を取ることにフォーカスしたいです。一昨年の3得点が最も多いので、4得点以上を目指したいですし、アシストの数を増やすことを意識したいですね。昨シーズン、チームはリーグ戦を2位で終えたので、自分が力になることで優勝が出来たらと考えています。

RP:ありがとうございました。

(聞き手:レッズプレス?ライター 石田達也)
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