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ツヅキック(都築龍太の試合分析)

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完璧な試合。最後の失点シーン以外はダメなシーンがなかった (J1百年構想第16節・水戸戦)

浦和レッズで活躍された元日本代表GK都築龍太さんが試合を解説。聞き手は、サッカー専門新聞『エルゴラッソ』の沖永雄一郎記者です。


RP:5月6日(水)にケーズデンキスタジアム水戸で行われた明治安田J1百年構想リーグ地域リーグラウンド第16節・水戸ホーリーホック戦は4−1でレッズが勝利しました。

都築:完璧な試合だったんじゃないですか。つなぎも、崩しも、動きも。最後の失点シーン以外はだめなシーンがなかったと思います。守備も安定していました。いまのDFラインは興味深いですね。

ダニーロ・ボザ選手があそこまで攻撃に低い位置で絡むことはいままで無かったと思いますが、いまは両サイドが上がりやすいような布陣になっていますね。長沼洋一選手もいきいきとやっているし、いいタイミングでサイドの選手が上がっていければ攻撃の厚みも増えます。

守るときに4バックでというのは変わっていませんが、攻撃のメリットが大きいやり方だと思います。相手が退場したこともありますが、厚みのある崩しでどんどん追い越していけています。相手もつかざるを得ないので、ボールをもっている選手が自由に扱うことができます。

中島翔哉選手が出ていれば高い位置で起点になれるし、サミュエル・グスタフソン選手がいれば中盤でためられる。相手としては非常につかまえづらいと思います。グスタフソン選手はボールを失わないですしね。キープできて、周りが動き出していいパスを受けられるポジションに何人も選手がいる形になっています

それプラス、得点シーンなど奪ってからのカウンターもある。小森飛絢選手の得点は最後は個人というところもありますが、イサーク・キーセ・テリン選手のゴールは奪ってからパス2本で得点まで行っています。セットプレーでも取れているし、サイドの崩しもある。

ミドルシュートがもうちょっとあってもいいかなと思いますが、攻撃のバリエーションは非常に増えています。出来上がったチームのような、一人一人が躍動して迷いがない感じがあります。その環境をつくっているのが田中達也監督なので、監督交代は非常に大きかったですね。制約がないというか、しっかりとポゼッションしながら周りが動いていて、それが一人じゃなくて複数いる。いい状態で受けられる選手をどんどんつくっていく戦術だと思います。

交代で出てきた選手がいきいきしているので、いいチーム状態なんだなと思います。早川隼平選手も初スタメンでしたが、得点に絡みましたし、自身のシュートもありました。選手を変えながら、やろうとしているサッカーは変えないのはいいですね。レイソル戦であったような、中島選手や安部選手がいなくてためられる選手がいなくなった時間帯以外は、非常に安定していると思います。

勝ち方としても、次につながっていくようなサッカーだと思います。ポゼッションも高いし、自分たちが保持することで相手にポゼッションさせないのも大きいです。得点も素晴らしかったしほかのシーンでもいい形をつくれています。

いまはプレスの掛け方も非常にうまいかなと思います。水戸のGK西川幸之介選手も足元がうまいと思いますが、苦しくなっているシーンが多くてロングボールが増えていました。
ただちょっと、水戸のレベルが落ちるのはあったと思います。むしろ、ひとり退場してからのほうがよくなっていて、外国籍選手が前線に入ってからシュートを打たれるようになりました。ターゲットになる選手がいるほうがはっきりしていましたかね。

最後の失点シーンは、長沼選手があそこまで中を切る必要があったかどうか。ちょっと中過ぎたと思います。相手の最初のトラップで絶好のシュートポジションに行っていて、もうちょっと詰めて外に行かせる動きをしたかったです。実際に外には行っているんだけど、一番シュートを打ちやすいところに持ち出しができた形になりました。ただ、その前の流れもあったので難しい対応だったとは思いますし、いいシュートでした。

総合的に見て、いまは相当強いと思いますし、楽しそうにやっていますね。これは継続したいですし、次のシーズンに生かさないといけません。達也じゃないとだめだという状況になってきていると思うので、僕は継続すべきだと思います。いまのレッズのフロントがどういう動きに出るか読めないですし、Uー21の監督をどうするんだという問題も出てきますが、トップ優先ですかね。

RP:次節はFC東京戦になります。田中監督になって初の上位チームとの対戦です。

都築:相手のプレスは速くなってくるでしょうし、ボールを持たされる、ポゼッションしたいならレッズにさせておこうという時間帯も出てくると思います。そうなったとでも、上位だろうが下位だろうが変わらずやれればと思います。守備のピンチがここまであまりないので、相手が崩しにかかってきたときに対応できるかも見たいですね。

ただそうはいっても、ポゼッションをしっかり上げて行って相手が攻撃できないようにできれば良いと思います。それを90分できるかは難しいですし、悪い時間帯もあるだろうから、良い時間帯でしっかり点を取って余裕のあるサッカーをしてくれればと思います。

ここまでいろいろと変えながらでしたが、次の試合の先発は田中監督が考えているベストな布陣でいくんじゃないと思います。ボザ選手の右SBを継続するかわかりませんが、ワンツーでの突破もあったり攻撃力を見せてくれました。どうなるか楽しみですね。

RP:ありがとうございました。


(サッカー専門新聞『エルゴラッソ』沖永雄一郎記者)
 
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都築龍太 -profile-
1978年4月18日生まれ。
2003年にガンバ大阪から浦和レッズへ加入。2010年に湘南ベルマーレへ期限付き移籍後、現役を引退。日本代表としても6試合に出場した。

(c)REDS PRESS