「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです
(有賀久子)
照内利和に刺激を受けた前育FW佐藤耕太 耕太に刺激を受けた照内
一夜明けると、前橋育英高校の優勝で幕を閉じた『第103回全国高等学校サッカー選手権大会』の話題であふれていた。同校OBの選手コメントの数を見ても、就任43年目の山田耕介監督のもと、プロサッカー選手を数多く輩出したことがよく分かる。
浦和レッズからは渡邊凌磨、吉田舜、金子拓郎がコメントしたが、小泉佳穂もクラブを通じてスポーツ紙に思いを寄せていた。
凌磨が言った言葉の中で印象的だったのは「大学に入っても、どうやったらプロになれるのかというのを逆算して考えられる人間力は、3年間で培ったもの」という言葉。凌磨の代のガンバ大阪MF鈴木徳真を挙げても、大学進学の後にプロ入りを果たしたが、彼らのベースに前育魂があることが感じられた。
Jリーグの各クラブが育成部門に力を注ぎ、ジュニアユースからユースに昇格するのも狭き門になっている。佳穂も、そうやって高体連の道に進んだ。今大会の準決勝で2ゴールを決めたFW佐藤耕太も、浦和レッズユース昇格ならずで、前橋育英の門をたたいた。
吉田が「優勝した選手たちは、僕ら以上に潜在能力と言うか、可能性を秘めていると思うので、ここから見物です」と話したが、その言葉通り、今後の、それぞれの進路先での成長が楽しみだ。
同時に、次のストーリーは始まっている。4月からは、高校1年生に浦和レッズジュニアユースを11年ぶりの日本一に導いたFW三角隼人が、今大会に出場した名門・帝京高校に進む。耕太の頑張りによって、三角も奮い立ったのではないか。
また、耕太の頑張りによって、プロサッカー選手としてのキャリアをスタートしたばかりの照内利和は、具体的な場面が思い浮かんだようだ。「アイツの特長である、身体のしなやかさだったり、強さとかを生かして、身体を張ってボールをキープしていたし、点もとっていました。それも大事なところで点をとっていたので、自分も、そういう大事なところで点をとれるようになりたいという刺激がありました」と話した。
照内は「直接、(耕太に)“おめでとう”を言っておきます」と笑みをこぼした。
・・・・・・