「練習レポート」は、大原サッカー場の模様を、ほぼ毎日更新するコーナーです
「プラスしかない移籍」
長年、取材する記者は柏レイソルに完全移籍する武藤雄樹の加入を喜んだ。
序盤、武藤は出番がなかったものの、第7節の鹿島戦から先発に名を連ね始めた。ワントップ、サイド、あるいはトップ下として動き回り、攻撃の良いアクセントとなった。
あとはゴール待つばかりというタイミングで加入してきたのがFWキャスパー・ユンカー。
想像以上だったユンカーの活躍で出場機会を失った武藤。武藤は「前線が生き抜くにはゴールを決めないといけない」と話している。
試合に出たい武藤にとって、今回の移籍はいわば相思相愛といっていい。
現在、柏は6勝2敗14敗。勝点20の16位に沈む。
昨季、大活躍のFWオルンガの移籍が響いているが問題はそこだけではない。前述の記者、そして浦和戦後、選手が指摘していたのが全体的な運動量の少なさ。22得点32失点が示すように、肝心な場面で攻めれず守れない。これが課題だ。
最近、柏は3ー1ー4−2へのシステム変更を行っている。FWクリスティアーノとFWペドロハウルの2トップの背後に、あるいはFW起用としても滅私奉公、運動量豊富の武藤を起用となれば、まさしく欲しい人材。
「プラスしかない」というのもわかる。
ただFW瀬川祐輔や外国籍アタッカーなどライバルは多く、武藤にはネルシーニョ監督をうなずかせるプレーが求められる。
振り返れば、武藤は浦和に加入した15年、急遽の抜擢に応え、レギュラーをつかみ、日本代表に選出されるまでになった。さらに、ゴールを決めれば負けない無敗記録は継続中。
ピッチ外での「寿司をもたらす」のエピソードは周知のとおりで。ファンサービス、メディア対応も実に丁寧だった。
歴代の背番号9とは一線を画す、明るく心優しいキャラクターは多くの人に愛された。
得点や寿司だけでなく、チームに良い風を吹かせた。
だからこそ、柏では活躍してほしい。心からそう思えるのは、武藤雄樹の人柄があってこそだろう。
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