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レッズOB勢に聞く〜日本代表、北朝鮮戦

(有賀久子)

レッズOB勢に聞く〜日本代表、北朝鮮戦


3月21日(木)、FIFAワールドカップ26アジア2次予選 兼 AFCアジアカップサウジアラビア2027予選 グループBの第3節・朝鮮民主主義人民共和国代表戦が国立競技場で行われた。

開始2分に田中碧のゴールで先制。結果、これが決勝ゴールになり、日本は1対0で辛勝。それでも2位以内の突破へ王手をかけた。

先制後、決定機を決めきれないままで迎えた後半、北朝鮮の勢いが増し、シュートを許す展開に。ここで浦和レッズOBが存在感を見せる。GK鈴木彩艶がファインセーブを見せれば、58分に遠藤航が、74分には橋岡大樹がピッチに立ち、交代選手としての役割を果たした。交代後は後ろを5枚にしながらも、前に出ていくアグレッシブな守備でカウンター攻撃を狙い、立て直しを図った。2点目は生まれなかったが、勝利に貢献した。

遠藤は「自分が入ったことによって、前向きに、もう1回プレーしていこう」とピッチ内の意識を変え、「結果的に2点目はとれなかったけれど、5枚にしたところも含め、ゼロでおさえたことはポジティブにとらえたい」と話した。

クリーンシートでの勝利は、GKにとって特別なモノがある。「代表でも、結果にこだわりたかった」と話すのは、GK鈴木彩艶だ。あくまでも無失点におさえることは最低限の目標とするが、どんな言葉を口にするよりも、ピッチ上で見せるプレーで結果を残せたことは、次への大きな一歩となる。そして、この試合を、共に戦った者も注目していた。昨季までGKチームの一員として選手を支えた在原正明さん。現在は、モンテディオ山形のアカデミーグループでフットボールコーディネーターを務めている。在原さんは自身のSNSで『簡単なキャッチの後もしっかりと動作を最後まで完了するところまでやってるし、枠を外れたシュートに対しても手を出して軌道を最後まで追ってるザイオン』と記している。

彩艶は「丁寧にやるという意識と、ボールがきれるまで分からないというところで、最後までプレーするところは心掛けている」と笑顔。「ピッチの上で、(チームメートに)落ち着きを与えたい。ピッチの上で表現することが全てだと思うので、アジアカップを経て、ピッチの上で最低限の結果を出したかったので、1つ終えられたのは次に繋がる」とレッズプレス!!の取材に語った。

橋岡大樹は、短い時間ながら、大きなインパクトを与えた選手だろう。2021年に浦和レッズを離れてからの成長を、日本代表のピッチの上でプレーで示した。橋岡は今年、プレミアリーグのルートン・タウンへ移籍を果たした。背番号は27。日々の練習、FAカップのマンチェスター・シティ戦でデビューした公式戦を通して、サッカーの本質、あらゆる強さを体感している。その刺激ある日々を「今、ものすごく自分の中で成長できている期間」を表現した。

「アジアカップに選ばれなかった悔しさはものすごくあった。次の代表で、もう見せるしかないなと思ったし、移籍して、ルートン・タウンでやってきたこと、それも自信に繋がっている。練習から見せていかないと、という気持ちと、この試合でどんどんアピールしたいと思った」。

ともかく体格など、シンプルに大きくなった印象だ。尋ねると「普段の練習からのクオリティが高いし、フィジカルの面でも、ものすごく強度の高い中でやっている。その強度で慣れていっているというのは、自分の中で成長していると思う。プレミアの試合に出て、自信もつけられているのかな」と充実の表情。

先日、浦和レッズOBの槙野智章さんが、リバプールに所属する遠藤のもとを訪問し、インタビュアーを務めたABEMAの配信内でも、強度のある守備について触れられていたが、橋岡も遠藤選手とそんな話をしたそうだ。「球ぎわの部分で、自分からとりに行くこと。引いて引いて、じゃなくて、自分からガッツリとりに行くというのは、普段もチームでやれという風に言われている。そこで、とりきれる選手になったら、また1つ、ステップアップできるよね、という話をしたので、そこは意識しながら。今回の試合も、そういったところを出せればな、と思った。(場面としては)あまりなかったけれど。でも、コツコツコツコツ、そういうのもやっていって、試合で出していけたら良いかなと思う。アジアカップは試合を見ていた中で、自分が選ばれなかったという悔しさがあったので、どういったところが自分はチームに還元できるかな、と考えた時に、対人の強さ、球ぎわの強さ、競り合いの強さ、推進力というのは自分の強みだと思っているので、そういったところを全面に出してやろうという気持ちでやった」と話す。

そこが、我々が身近に感じていた橋岡との違いだろう。橋岡は「日本にいた時、ベルギーにいた時は、やられない、抜かれないという気持ちでやっていたが、プレミアに行って、抜かれない、というのでは、引いて引いて、カットインされてシュートが入ったら、もう、それで決められたら僕のせい。だから、そういったところでも、とりきる、タックルしきる。それを学んだ。今、そこをもっと自分の中で成長させていかないといけないところ」と挙げた。

日本は、大きな大会を経ると、主体的なサッカーを求める声が高まる。そこにはやはり、個の強さが求められるだろう。個があっての組織力。当事者である橋岡に、その点をぶつけると「ずっと言われ続けていると思うが、個のレベルアップは、やっぱりしていかないといけない。個のレベルアップをして、その中で、僕も、みんなに負けないぐらい、“コイツ、本当に成長したな。アイツ、すげえよ”と思わせるぐらいに成長して、代表に還元したい」と話し、ミックスゾーンを後にした。







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