本代表のキャプテンであり、浦和レッズOBの遠藤航が所属するイングランド・プレミアリーグのリバプールが、現地時間4月27日(日)、ホームで大勝し、5年ぶりのリーグ優勝を決めた。遠藤は、76分から右サイドバックで出場。ピッチの上で、歓喜の瞬間を迎えた。
遠藤と言えば、埼玉スタジアム2〇〇2でFIFAワールドカップ26出場を最速で決めた、アジア最終予選・バーレーン代表戦の開始8分、こぼれ球を回収し、ボックス手前の右から針の穴に糸を通すような縦パスを送り、攻撃に繋げた。
W杯出場権がかかった重要な一戦で、高いレベルのパスをいとも簡単に見せる遠藤に、試合後、「どんな練習の積み重ねが必要になるのか」と尋ねた。その答えが、プロサッカー選手を目指す子供たちへのアドバイスにもなるとも考えた。
遠藤は「そんなに難しい技術は要らないと思っていて。僕はどんな時も、基本技術というか、シンプルにプレーすることを心掛けています。日々の練習から、その精度をしっかりと高くすることが一番重要かなと思っています。(開始8分の)あのシーンも、浮き球のボールをうまくコントロールしながら、首を振って、縦につけるみたいな形なので、シンプルにプレーすることを意識していました。まず、前を見ること。その優先順位は、間違えないようにする、みたいなところですかね」と話す。
続けて、遠藤は「まず、浮き球をコントロールしてマイボールにするとか、中盤で、そういう助けが出来ると、チームメートも楽になると思いますし、ただ、ヘディングで繋ごうとするだけ、蹴るだけじゃなく、自分がボールをおさめて、マイボールにして、サイドを展開する、とか。そういうプレー選択は、常にチャレンジ出来るようにしています」と集中する点を挙げた。
今シーズンは出番が減るなど、試合勘などを心配された時期もあった。それでも日本代表での遠藤は、変わらぬ技術、心持ちがそこにあった。遠藤は「普段の練習のインテンシティの高さがあるから、全く問題ないよ。若手じゃないし、経験があるからこそ、落ち着いてやれている。大丈夫」と笑顔を見せ、安心させてくれていた。
もちろん、今後は去就が再注目されるが、まずはリバプールでの優勝を祝うと共に、残りの試合も遠藤の存在感を示してもらいたい。そして日本代表も、W杯出場権を獲得したとはいえ、遠藤が「ここがスタートだ」と話すように、重要な試合は続く。6月5日(木)にアウェイでオーストラリア代表戦に臨み、帰国後10日(火)に、大阪府・市立吹田サッカースタジアム[パナソニック スタジアム 吹田]でインドネシア代表と対戦する。