20日(土)、浦和レッズの平川忠亮コーチとブラインドサッカー男子日本代表強化指定選手の加藤健人(埼玉T.Wings所属)が、サッカーとノーマライゼーションをテーマにしたオンラインセミナーを実施した。
当初は同日に「さいたま市ノーマライゼーションカップ2021」の試合を行う予定だったが、新型コロナウイルス感染症の拡大により大会の開催が困難であると判断。その中、さいたま市とNPO 法人日本ブラインドサッカー協会は、ノーマライゼーション啓発を続ける取り組みとして、このイベントの開催に至った。
テーマは「ブラインドサッカーで体現をするノーマライゼーション」。定員は90名限定で、ブラインドサッカーや浦和レッズのファン・サポーターが参加した。
平川コーチは以前からブラインドサッカーチーム、埼玉T.Wingsの活動をサポート。ブラインドサッカー界とのつながりは、現役時代に平川が両目を負傷し、半日ほど目が見えなくなったことがきっかけだった。回復後「目の不自由な方の力になりたい」と周囲に相談し、同じ埼玉を拠点にするT.Wingsの体験会に参加して接点を作った。その後、T.Wingsに練習場所を提供するなど支援を継続している。
「コミュニケーションを取りながら、お互いがサポートできることをやっていきたい。平川忠亮としてだけではなく、チームでもサポートをしていきたい」(平川コーチ)
オンライン会見では参加者から次のような質問が寄せられた。「ブラインドサッカーのコーチングやコミュニケーション方法がサッカーにつながる部分はあるか」と聞かれると、平川コーチは「コーチングができない選手は一流になれない。コーチングの質の高さは色々な局面で役に立ち、勝敗を分けることもある。コミュニケーションは大切となる」と答える。
そして「本格的にブラインドサッカーを始めたら活躍をする自信は?」との問い対しては「10年前だったら(笑)。(今は)怪我をする恐れも多いし、何よりカトケン(加藤)に抜かれたくないので(笑)」と笑いを誘った。
2人が考えるノーマライゼーションとは、健常者と障害者が当たり前に混ざり合う社会の実現だ。
平川コーチが「みんなが一つになる環境はある。自分の勇気、壁を作らずに、(このイベントが)みんなで一つになるきっかけになれば」と言うと、加藤は「ブラインドサッカーはノーマライゼーションが分かりやすいスポーツ。一人でも多くの人に体験をしてもらい、ノーマライゼーションを分かって欲しい。混ざり合った社会作りができたらいいし、これからもブラインドサッカーの応援をして欲しい」と続けた。
およそ60分間、スポーツの価値やブラインドサッカーの魅力、ノーマライゼーションについて語り合った貴重な時間となった。
なお、同オンラインセミナーについては、3月以降にダイジェスト版が公開される予定だ。
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