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REDSニュース|Jリーグ開幕に水を差した規律違反と評価したいクラブの対応|レッズプレス!!

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Jリーグ開幕に水を差した規律違反と評価したいクラブの対応



(佐藤亮太)

あきれるやらなにやら……溜息しか出てこない今回の柏木陽介、杉本健勇の規律違反。

すでに大々的に伝えられているので詳しくは触れないが、2週間あまりとなったJリーグ開幕に水を差した。

2人の行動についてはツッコミどころ満載。弁解の余地もない。柏木に関して「度重なる」と付け加えられたのは、昨年の写真週刊誌の報道と容易に想起できる。脇が甘いのか、懲りないのか。残念で仕方がない。

この報道とともに驚いたのは、クラブが公式ホームページを通じて公表したことだ。こういったことはいくらでも内部で処理できる。たとえ処分された選手がピッチにいなくても、広報担当が別メニュー調整と言えば我々メディアはそう思うだろう。また知っていたとしてもそう書かざるを得ない。

なのに、なぜ公表したのか。それはクラブのアイデンティティーに関わるからだ。あるクラブ関係者は「地域社会に楽しみや喜びをもたらすことはクラブの最上位の概念。その逆のことが起きてしまった」とやりきれなさを語った。新しい監督、新しい選手、新しいサッカーを楽しみにしているファン・サポーター、ステイクホルダー、パートナーへの背信行為そのものだ。

「良い話題を地域に伝えたい」

これは会見のたびに、浦和レッズマーケティング本部広報・山本洋平部長が必ず一言添える言葉。たとえ悪い話題でも、いや真逆の話題だからこそ、クラブの総意を、クラブの誠意をはっきり打ち出したと言える。

情報公開は当たり前のことだが、当たり前に対応することはなかなか勇気のいること。クラブが公表したことは高く評価したい。週刊誌などの報道に先んじて、今回の規律違反行為へ手を打ったと勘ぐってしまうが、そうではない模様。多少確認に時間はかかったようだが、粛々と処分はなされた。

どれだけゴールを決め、アシストをしても帳消しにできない今回の不祥事。公式ホームページでは柏木が午後4時から2時間、知人の店で杉本とともに貸し切り状態で食事をしたとされている。

決められたルールを破ったのだから当然の処分だが、コロナ禍にあえぐ知人の店に少しでもお金を落とそうと、一種の義侠心でしたことかもしれない。ただお金を落とすならば、クラブと交渉し、その店のメニューなどを宿泊するホテルで出すなど方法はあったはず。そうなれば、地元の窮地に手を差し伸べたと柏木の株が上がったかもしれない。少なくともこのようなことにはならなかったはずだ。

選手はピッチに出てナンボ。活躍できたらチャラというのは、とろけるような甘い考え。味方であるはずのゴール裏の住人から厳しいブーイングが飛んでも仕方がない。

2人はどうやって失った信頼を取り戻すのか?

『浦和を背負う責任』。改めてクラブ、選手に突き付けた出来事となった。




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