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REDSニュース|青森山田MF武田英寿が決勝ゴール。3−2で昌平に競り勝つ|レッズプレス!!

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青森山田MF武田英寿が決勝ゴール。3−2で昌平に競り勝つ

第98回全国高校サッカー選手権大会準々決勝4試合が行われ、来季、浦和レッズ加入内定MF武田英寿が率いる青森山田は等々力競技場で埼玉代表・昌平と対戦。

40分ハーフで行われた試合は10分青森山田・MF浦川流輝亜のゴールで先制。堅守そしてボールを奪ってからの速く確実なボール回しで上回る青森山田は19分、相手DFのパスがゴール中央MF後藤健太にわたり、そのままゴールを決め、追加点。

さらに青森山田は前半アディショナルタイム(40+2分)、MF武田が左にサイドチェンジ。これを受けたMF浦川がゴール前にクロス。これに走りこんだMF武田が頭で押し込んで追加点。3−0で前半を折り返した。

なお前半のシュート数、青森山田7本に対し、昌平はゼロと青森山田が圧倒した。

後半になり、ゲームは青森山田ペースで進んだが、49分、パスミスから昌平MF須藤直輝に決められ、失点。さらに75分にも失点し、1点差に詰め寄られたものの、守備、特に最終ラインの身体を張った堅守により、青森山田が3−2で競り勝って、準決勝進出を決めた。

試合後、黒田剛監督は「(武田が挙げた)3点目が大きかった」と話すとともに「後半の2失点したことを反省点として、次の試合に臨めるのはありがたいこととしたい。(ハーフタイムに選手には)後半20分まで3−0の点差を持続させるように伝えた。(失点は)パスミスというか……状況把握ができないなか、バックパスからの失点とイヤな形からだった。チームにとって失点は好材料。もう一度、気を引き締め直したい」と総評した。
なお準決勝は1月11日(土)埼玉スタジアムで行われ、青森山田が新潟・帝京長岡と対戦する。

「自分らしくないゴール。気持ちで入れた」。決勝点を挙げた武田英寿は語った。

ゴールシーンを振り返ると、武田は左サイドに大きく、そして味方の足元にピタッとおさめる優しいロングパスを配球するとゴールに一直線。

「スペースが空いていて、うまくボールが転がってくれた」と武田。労を惜しまず、走ってきた“ご褒美弾”であるとともに非常に抜け目ないゴールだった。

武田の魅力はゴールではなく、むしろ、それ以外のところに詰まっている。

きょうで言えば、9分、相手からボールを奪い、ドリブルでペナルティーエリアに進入。切り返してシュートまで至った回数は2回。

19分、チーム2得点目となったシーンで、相手選手のパスを誘発させたのは武田のチェイシングがポイントになっていた。

30分にはMF武田→左サイドに流れたFW田中翔太からふたたびMF武田と大きな縦へのワンツーパス。こうした大きなワンツーは58分、74分にも見られ、74分にはシュートを放った。

持って、捌いて、動いて、走って、運んで、打つ。さらに守備では試合を通じてしつこいまでに相手を追いまわす献身性が印象に残った。

このプレースタイル、クラブが後継者と表現した“柏木陽介”に似ている。
武田本人も柏木に対して「お手本として見習いたい」とリスペクトしているが、打開力、推進力、シュート力でいえば、浦和在籍時の“長谷部誠”といったほうがイメージは合っている。

ただ、武田のワンマンチームでないのが青森山田の強み。「全員で戦うチーム。誰もが点を獲れ、全員が何でもできるチーム」(武田)。だからこそ、武田は単なるうまいパサーに甘んじることなく、走って、運んで、決める選手へ自身をヴァージョンアップした。その結果、浦和レッズ加入内定を得たといっていい。

「昨年と同じように埼スタに帰ってくるのが嬉しい」と話すように前回大会、準決勝、決勝。そして先月15日に開催されたプレミアリーグEAST王者として挑んだ高円宮杯 JFA U-18サッカープレミアリーグ 2019 ファイナルで名古屋グランパスU-18を下した、いずれの会場も埼玉スタジアムと験がいい。

武田のホームとなる埼スタであと2つ、大暴れしてほしい。

(佐藤亮太)




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