（有賀久子）
2つの円陣〜レッズレディース＆レッズユース
WEリーグのホーム開幕戦となった9月のINAC神戸レオネッサ戦。先制点を奪われ、1点ビハインドで迎えた後半開始の円陣で、浦和駒場スタジアムに集まったサポーターが目撃したのは、両頬に指をあて、ニッコリ笑顔の選手たち。
リーグ3連覇にむけて、乗り越えなければならない強敵INACという大きな壁。何よりもホームゲームだ。負けるわけにはいかない。より肩に力が入るところを、あえて笑顔を選んだ選手たちに、頼もしさを感じた瞬間だった。
後日、長野戦のあとに栗島朱里に尋ねると「（INAC戦の後半は）誰かが言い出して。そうだ、やろう！やろう！って。みんなで『スマイル！』ってやったの。（言い出したのは）私じゃなかった気がするけれど、忘れちゃいました」と笑う。「神戸には、結果的に負けてしまったけれど、連敗は絶対にしないようにと、（長野戦までの）この1週間も、みんなで頑張れました。“連敗しない”ことを実現できて良かったです（長野戦は1対0で勝利）」と話した。
こちらの画像は、浦和レッズユースのひとコマだ。
ユニフォームの胸のエンブレムをつかみ、ひと呼吸。11人の間に、一瞬の静寂が生まれる。
この時間について、キャプテンの阿部慎太朗に尋ねると「ああすることで、自分たちを高めあっています。（円陣で）声を掛けるのも大事ですけど、1人1人に自分の時間が絶対にあると思うので、そこの時間を作るという意味で」と理由を教えてくれた。
この夏は、日本クラブユースサッカー選手権（U-18）で、グループステージを突破するも、準々決勝でガンバ大阪に負け、今年も悔しい思いを経験した。阿部は「公式戦がない時に、プレー以外の部分など気を配って過ごすことが出来ました。この夏休み、クラブユースで負けてしまってからの時間が、自分たちを成長させてくれたと思います」と振り返った。
10月12日(土)、三菱重工浦和レッズレディースは、AFC女子チャンピオンズリーグのグループステージ第3戦、地元ベトナムのホーチミン・シティ戦に挑む。日本時間21時キックオフ。浦和レッズユースは、高円宮杯 JFA U-18サッカープリンスリーグ 2024の第16節・帝京高校戦を迎える。17時キックオフだ。円陣が解かれ、両者どんな戦いを見せてくれるだろうか。
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