(有賀久子)
宇賀神友弥、二度目のありがとう
80分、宇賀神友弥は、関根貴大との交代でピッチに立った。
サッカーキャリア最後となる公式戦・アルビレックス新潟戦には、堤俊輔など浦和レッズユースの同期やジュニアユース時代の監督だった淀川知治氏(現:浦和レッズアカデミーサッカースクールコーチ)など、自分を形成した大切な方たちを呼んでいた。
「できれば、慎三くんと同じピッチに」その願いは叶わなかったが、スタジアムに集まった背番号35、背番号3を背負ったサポーターたちは安心しただろう。サポーターの1人は「退団と引退セレモニー、2度もありがとうを伝える場があって嬉しい。そんなことが叶うとは思っていなかったから。浦和レッズで引退になり、ありがとうと言いたい」と話していた。
皆さん、こんにちは。
今シーズン限りで、プロサッカー選手を引退することを決断しました。ここで話すのが2回目になる選手は、僕が初めてでしょう(笑)。(興梠)慎三くんからも「手短に」と言われているので、短く、僕の、今の率直な気持ちを皆さんに伝えられればなと思います。
今シーズン、『引退しに浦和レッズに帰ってきたわけではない』と豪語して帰ってきましたが、チームの力になることができず、もどかしい日々を過ごしました。ただ、今、横で聞いてくれているチームメートたちは、僕が日々100%でプレーする姿を、背中を見続けてくれたと思っています。
僕がここまで全力でプレーできたのも、日頃から僕のことを支えてくれている家族、大きな怪我をすることなく、15年間もプロサッカー選手を続けることができたのは、こんなに強い身体に生んでくれた僕の母だと思っています。この場を借りて感謝します。ありがとうございます。
そして、最初の退団でも言いましたが、ここ埼玉スタジアムは、僕の家なんです、やっぱり。ここで、こうやって引退の挨拶をできることが本当に嬉しく思いますし、改めて浦和レッズは最高だなと思っています。
ただ、そんな僕の愛すべき浦和レッズが、このような順位にいてはいけないと思いますし、このような試合をしていてはダメだと思います。
今、ここにいる選手、特に名前を挙げさせて頂くと、(渡邊)凌磨はすごく強い覚悟を持って浦和レッズに来たと思っています。そして関根(貴大)、原口(元気)、2人には、誰よりも強い気持ちと覚悟を持って、このクラブを強くするんだという、強い気持ちで闘ってもらいたいと思っています。
そして、ここにいる全員が、その3人に負けないんだぞという強い気持ちを持って、来年、世界に挑んでもらいたいなと、そして僕たちが成し遂げることができなかったリーグ優勝を、みんなでつかみ獲ってもらいたいと思います。
プロサッカー選手は引退しますが、改めて、僕の夢は、浦和レッズのゼネラルマネージャーになることです。来シーズン以降も、浦和レッズのために、ピッチの外から闘うことになりました。サポーターの皆さん、次はブーイングよりも、たくさん拍手を送ってもらえればと思います。
本当に幸せな15年間でした。ありがとうございました。
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