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REDSPRESS EYES|伊藤美紀、2年目のレッズレディース〜まだまだ出せていないこと、持っていても出せなかったら、持っていないのと一緒だから|レッズプレス!!

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伊藤美紀、2年目のレッズレディース〜まだまだ出せていないこと、持っていても出せなかったら、持っていないのと一緒だから

(有賀久子)




伊藤美紀、2年目のレッズレディース〜まだまだ出せていないこと、持っていても出せなかったら、持っていないのと一緒だから

9月22日(祝・日)、ホーム浦和駒場スタジアムで行われる2024-25 SOMPO WEリーグ第2節・INAC神戸レオネッサ[MATCH PARTNER 三菱重工]で注目して頂きたい選手の1人は、背番号5・伊藤美紀。9月10日に29歳になった。「高校を卒業して、19歳でINACに加入して……」。11度目の開幕を迎えた。

日テレ・東京ヴェルディベレーザ戦で、伊藤は2列目の左に位置。1対0と浦和リードで迎えた52分、島田芽依のドリブルで、全体がベレーザ陣内に押し上がると、伊藤は、島田からフリーでパスを受け、ダイレクトでクロスを入れた。このボールを、昇格が発表されたばかり、高校生の藤?智子がダイレクトシュート。1度はGKに阻まれるも、こぼれ球を藤?自身が決め、ゴール。貴重な追加点に繋がった。2対0、WEリーグ3連覇にむけて、大きな1勝をあげた。

開幕前、伊藤は「(10周年という)今まで経験してきたことや自分がやってきたこと、そして今も積み重ねていることを、いかにピッチで表現できるか。自分の中で、そこが大事になってくるなと思っています」と話していた。

伊藤の完全移籍での加入は、昨年6月末に伝えられた。リーグカップから先発出場し、数々の勝利に貢献した。ただ、簡単でも、平坦な日々でもなかった。移籍1年目のシーズン。伊藤は、優勝を喜ぶと共に「チームのスタイルがすでに築かれている中で、自分らしいプレーが100%出来ているかと言ったら難しい部分もあったり、シーズン中盤ぐらいで、スタメンではなくなって……という時期もあって。もがく時期もありました」と振り返っていた。

だからこそ、レッズレディース2年目のシーズンに“自分らしさ”を出すことを掲げていた。

「味方に、しっかりとやりたいことだったり、自分はこういうプレーができるんだよということを伝えながら。何か、もっと、自分が持っているもの、見えているもの、考えているものを、どんどんとピッチ上で出していきたい。一段階、パワーアップした姿をピッチから見せたい。まだまだ出せていないことの方が多いと思うし、持っていても、出せなかったら、持っていないのと一緒。ゴール前の動きや、守備の貢献もそう。攻撃のところで、もっと自分を出していきたいなという風に思っています」。

この言葉だけで、今シーズンの伊藤は、何を見せてくれるのかと高揚してしまう。

手応えは、日々のトレーニングから感じている。「今は、味方のみんなも、私から出てくるパスのタイミングや私のプレースタイルそのものを、ちゃんと理解してくれていて、それを言葉にして話もできているんです。もちろん、コンビネーションでも。感覚で合わせていけるところが、1年目の時よりも増えてきていると感じますし、目線を合わせるだけで、“あ、次はこういうプレーだよね”という、イメージが合っているなと感じる回数が増えてきているんです。すごく楽しいんです」と自然と声が弾む。

伊藤の戦術眼が光る場面が増えるシーズンになるのではないか。「今シーズンは、自分から、チームを引っ張っていけたらなと思っています。プレーの面でもそうなんですけど、たとえば、ミスが続いていたら、“今は1回、落ち着いてボールをまわすところだよ”とチームのバランスを整えるとか、“今ちょっと、後ろでゆっくりとまわし過ぎているから、もう少し背後を狙って、相手の足が止まっているところを狙っていこう“”とか、戦術的なところ、相手の流れの逆をついたり、前にプレッシャーにこさせて、あいているところをついていくとか、自分たちから相手を動かして、組み立てていく、ゲームを握っていくというゲームコントロールを、自分からもどんどん発信して、伝えていければ良いなと思っています(伊藤美紀)」。

今シーズンも、国内外で三菱重工浦和レッズレディースの名を背負って戦う選手たち。伊藤は「自分たちから厳しく、もっと上に行くんだよ、もっとやるんだよ、と自分たちでギアを上げていけるように引っ張っていきたい」と意識する思いをあげる。

「ボールがとられていないから、これで良いや、じゃなくて、ボールをまわしながらも常にどこかを狙っているとか、何のためにボールを持っているのかとか、そういう細かいところまで、全員が共有できたら、それは観ている方にも、より面白さというのが伝わるし、より迫力が出るんじゃないかなと思っています」。

1つ1つのプレーは小さい局面でも、結果には大きく影響する。伊藤は、細部にわたる丁寧なプレーで、スタジアムを沸かしたいと考える。「観てくれる方々にも、そういう楽しさをピッチの中から感じられたら。怖い顔をしてプレッシャーを受けるんじゃなくて、堂々と、“来いよ!”ぐらいの、そういう風な空気感でプレーすることができれば、アジアの戦いや、厳しい戦いの場面でも、私たちはできるんじゃないかなと思います」。

愛称は『いときん』。150センチと小柄だが、昔から伊藤は「“小さくてもできるんだぞ”と私が証明したいと思ってきました」と、考えて、考えて、小さいからこそできることを突き詰めてきた。是非、浦和駒場スタジアムのピッチに立つ伊藤美紀の姿を観に、チケットを手にお越し頂きたい。・・・・・・

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