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REDSPRESS EYES|祝優勝!今季の浦和レッズレディース、ここが強かった!〜ライター佐藤亮太編|レッズプレス!!

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祝優勝!今季の浦和レッズレディース、ここが強かった!〜ライター佐藤亮太編

今回はレッズレディース優勝を祝し、その強さがなんだったかについて各識者に寄稿いただいています。


(佐藤亮太)

秘密は『浦和語』の浸透

強さの秘密は『浦和語』の浸透にある。

その“浦和語”の説明は、昨季の戦いにさかのぼる。

浦和レッズレディースの前には、常に日テレ・東京ヴェルディベレーザがたちはだかっていた。昨季リーグ戦の対戦成績は1勝1敗だが、優勝はベレーザが優勝し、5連覇。浦和は2位となった。また、カップ戦では準決勝でぶつかり、3—2の逆転負け。皇后杯の決勝では1−0で敗戦し、都度、後塵を拝した。

レッズとベレーザの差は、何か。ベレーザの選手にしか分からない『ベレーザ語』の存在に気が付いた。

ベレーザは下部組織からの昇格組が多いチーム。クラブの独特な文化で育った選手のプレーを見ると、動きや立ち位置がとにかくオートマチック。臨機応変にポジションチェンジを繰り返しながらも、攻守共に破綻することは少ない。それだけではなく、スコアや試合の流れを見ながら、イレブンが意思統一されたゲーム作りをしている。海外で日本語が通じないのと同じように、ベレーザ語は、他のチームでは通じないのと同じだ。


言語。言い換えれば、戦術に基づいた原理原則、試合勘、ゲームの流れを読む力と共に、その考えや流れを共有する点で、ベレーザは勝っていた。

冒頭の『浦和語』に戻るが、レッズの選手たちにしか分からない浦和語が共有できるようになったのが、今季の躍進の理由である。

今季の浦和は、誰かが前に出れば、誰かが空いたスペースを埋める。右の選手が逆サイドにいけば、ボランチの選手が前線に。さらに前線の選手が中盤まで下りてボールを受け、再び前線に走り出すといった、相互補完型サッカーを展開している。

昨季のベレーザに感じた流動性、状況に合わせた試合の構成と共有性が、今季の浦和から感じる。

その始まりは、ベレーザで長く携わった森栄次監督の就任だ。

まず、森監督は、選手たちに“考えること。考えてプレーすること”を求めた。考える作業から、自分の考えをチームメートに伝えること。伝えることで、チーム全体で共有できる。このサイクルが自然とまわり始めた。

当然、ここまでは一朝一夕ではなかったが、ミスや失敗が起きる度に話し合い、互いのプレーをすり合わせた。

レッズプレス!!のREDSインタビュー企画で、MF塩越柚歩が「監督からも(選手間で)話すことが増えた、と言われている。無意識にできている」と触れたように、話し合いで培った『浦和語』の浸透が今季の強さになっている。


(レッズプレス!!佐藤亮太)


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