back

REDSPRESS EYES|江橋よしのり×郡司聡 女子サッカー対談その3|レッズプレス!!

top
江橋よしのり×郡司聡 女子サッカー対談その3

多角的な視点で浦和レッズに迫るコラムコーナー「REDSPRESS EYES」。今回は佐藤亮太記者が、浦和レッズレディースとなでしこリーグの現状と課題、そして未来への可能性を全4回のシリーズで追求します。


なでしこリーグの開国宣言
女子サッカーの現状を知る〜座談会2

●女子チームが少ない理由

RP:女子サッカーを持つJリーグクラブは浦和レッズのほか、アルビレックス新潟、ベガルタ仙台などありますが、鹿島アントラーズやガンバ大阪、川崎フロンターレにはないですね。女子サッカーの普及を考えると、強豪クラブがチームを持つことが大事だと思いますが。

江橋:ただ、一度、Jリーグクラブが女子チームを持つと、絶対につぶせないですし、もしつぶしたら、必ず大きな反発があります。そして、たとえば、J1チームがJ2リーグに降格したとき、1年で復帰するために資金を使わなければなりません。そのとき、女子チームにちゃんと資金が使われるのかということもあります。また、常に優勝争いをしたいチーム、あるいは毎年、ACLで戦いたいチームは女子チームを持つことが、もしかするとリスクなのかもしれません。

郡司:女子チームが発足したことに対してトップチームが難色を示した、といった話を聞いたことがあります。女子チームを作るのならば、トップチームにその分の予算を還元してほしいと……。

江橋:同じような話しは、私も聞いたことがあります。女子チームがトップチームの資源を奪いに来るような感じがあるのかもしれません。実は、こうしたことは学校でも同じことがあって、「女子サッカー部を作って下さい」と日本サッカー協会からお願いをします。しかし、強豪校ほど「グラウンドを2倍にはできない」「指導者はどうするの?」という問題になり、女子サッカー部の数が増えていません。常磐木学園や藤枝順心といった女子の強豪校は女子高なのです。例外は、大阪桐蔭や岡山の作陽で、男女ともに強い高校です。

郡司:どうやってグラウンドを使っているのですか?
 
江橋:作陽の場合は湯郷ベルの練習場を使ったり、男子は湯郷とトレーニングマッチをしたり。やはり、場所と人材の問題ですね。こんな話しもあります。ブラジル代表のネイマールがサントス時代、引き抜きにあったとき、クラブは残留させようと何をしたと思いますか?女子チームをつぶしたのです。「女子はサッカーをしてはいけないのか」と選手から猛反発があったそうです。これは問題ですね。

【プロフィール】
江橋よしのり(えばし・よしのり)

ライター、女子サッカー実況・解説者、FIFA女子バロンドール投票委員。2003年以降、世界の女子サッカーを幅広く取材。主な著作に『世界一のあきらめない心』(小学館)、『新なでしこゴール!!』(講談社)、など。近著は児童小説『おはなし猫ピッチャー』1・2巻。

郡司聡(ぐんじ・さとし)

1970代生まれの茶髪編集者・ライター。広告代理店、編集プロダクションを経て、2007年にサッカー専門新聞『エル・ゴラッソ』編集部に勤務。その後、2014年夏にフリーランスへ転身し、現在は浦和レッズ、FC町田ゼルビアを定点観測中。


(佐藤亮太)

・・・・・・

ログイン・会員登録はコチラから
すべての記事をご覧いただくには、会員登録が必要です。
※既に会員登録済みの場合、ログインを行うことで閲覧可能となります。



(c)REDS PRESS